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愚かな男。(斉藤) 2006年12月26日(火) |
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ふいに沖田が笑う、あかるい声で。
俺がどもって、しまったことを指摘しながら・・・。
たのむ、沖田、今は何も言わないでくれ。 でないと、俺は何を口走るかわからない・・・。
絶対に知られたくない、くそっこんなのは俺じゃない。
一瞬で俺はやっと自覚してしまっていた、けど、かけがえのない大切な・・・。
不甲斐無い、俺はほんとうはお前に。
沖田、そんな顔しないでくれ、今を壊したくないんだ。
あぁ、俺は剣以外でもお前に・・・。
思わず、そう思ったらくすりと笑い声をたてていた。
けれど、斉藤一なんて男、ほんとうはこの世にいないのにな。 俺は莫迦だ。
沖田、お前の明るい笑み、今はそれがこわいような気がするな。
まだ、言えないその理由を沖田お前には。
俺は斉藤一という愚かな同い年の男に恋する男に、なってしまったな。 今度こそ、俺は笑いたかった、声をたてて。
だが、「お前は、かけがえのない俺の友だ」と一言だけ言った。
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