2006/06/11
拍手やメッセージありがとうございます!!

R様、いつもお世話になっています!
伊庭さん、書くのは難しいけど書かずにおれないような方になってきてしまいました(^^;)
えへへ、いえいえ。はい、これからも頑張りますね〜。

拍手おしてくださった方たちも、ありがとうございました。
少しでも、皆様に気にいっていただければうれしいです。

ありがとうございました!!



2006/06/09
花盗人。

「伊庭、見てるくれぇなら。たまにはやってくか」

 ひょいと歳三が素振りする仕草で問う。

「いやぁ、オイラただ見惚れてたのよ。相も変わらず、あのお人の剣は見事だねぇ。まるで、そうさね、歳さんの句にあった・・・」

伊庭はいきなり口を噤んだ。

(こりゃ、言っちゃいけないねぇ・・・。歳さん、合点がいったよ。けどね、オイラももうおかしいねぇ)



「なんでぇ、いきなり」

「いいや、何でもないのさぁ。歳さん、今夜は吉原あたりに。どうだい?」

 花のあるやわらかい口調で、つと思いついたよに。伊庭は歳三を誘った。


「まぁ、そりゃ構わねぇが。見惚れるくらいなら仕合ってきゃ、いいじゃねぇか。宗次は道場にいる時だけは、人を選ぶような餓鬼じゃなし」

「いいのサァ、オイラ宗さんにあんまりよく思われちゃいないしね」

 わざと本音を隠して、伊庭は微笑む。
納得したのか、しないのか。歳三は


「宗次のやつ、なんだか、おめぇを嫌うんだよなぁ」

 珍しく、伊庭は声をたてて笑いながら

「そりゃ、歳さんをオイラが悪い遊びに誘うからさね、歳さんも歳さんだ。わかってるくせに、お人が悪いよ」


「ただねぇ、色恋と喧嘩にゃなんとやらだよ、そろそろ雨も降らずば、という頃合かね」

(ただ、オイラがその雨じゃあんまりだねぇ・・・。)

「おい、何わけのわかんねぇことを」

多少、上擦った声で歳三が言う。


「おやぁ、歳さんともあろうお人がわかっちゃいないとは、言わせないよ」

 意地悪く問いつつ、伊庭は柔和な笑顔になった。


(オイラは見ているだけでいいのさぁ、歳さん。まったく、まいっちまうさね。あんな風な美しい風情を他に知らないよ。オイラもヤキがまわっちまったようだねえ・・・)

 伊庭は歳三の視線の先にいる、初夏の風のような姿を同じように、だが強かに掠め取るように眺めた。


言えぬ恋なぞ、恋でなし。一睡の夢幻。
掠め取れるよな、お人じゃないもの。

 ふいと伊庭は沖田を見つめる歳三に、心中問いかけた。

(それとも、歳さん。オイラ、本気になっちまうかなぁ・・・)

野暮な雨になるのも、わるかないねえ。

 



2006/06/09
誰よりも。

「アンタが好きだよ・・・。誰よりも」

 そんなのは、嘘だ。わかっていながら斉藤は沖田を引き寄せた。物狂わしいよな、いとしさに負ける自分をどこかで昼の白い月にあざわられているかのような幻を振り切るように。
 ただひたすらに、抱きしめる・・・。

 抱き寄せた、沖田の心は自分にはない。


ただ、淋しい、さみしいと沖田の心音が響いてくる。
それが、殊更にせつなく愛しかった。

 今、この腕にいだいている男こそ本当は昼の月。


それすらも、もはや斉藤にはわかっていた。
そんな沖田の哀しさを斉藤は、愛しぬく。


そう心に決めたときから、斉藤一は世界の全てが変わったことを知っていた。
あれほどに、沖田への憧憬と友情で倖せに満ちていた自分は死んだのだ。


恋という甘い毒のために。


だが、おれは悔いてはいない。
愛しさにつまる想いで、斉藤はその腕に更に力を込めた。



2006/06/09
拍手やメッセージ、ありがとうございます!!

※A様、いつも感想ありがとうございます!!
こういう読み手様に、ゆだねますって書き方、いいのかなぁ・・・。? だったので、大歓迎というお言葉、すっごくうれしかったです!
実は、伊庭さんが何をしたのか全く私・・・。でした。
でも、私自身もたくさん考えちゃいました。
歳さんが本気の時は、誰であろうが叶うまいっていうデフォルトだったんですが、伊庭さんのみは心が揺らぎます(ここ、斉藤さんって言えない自分が悲しい。一さん、三角関係になったら絶対、失恋! 斉藤さん、ごめんなさい、って感じです。私の場合)
感想ありがとうございました!


※伊庭沖、大賛成とのお言葉、ホッといたします。
なぜか、伊庭歳じゃなくって伊庭沖になっちゃうんですよね〜。(^^;)
精神的には、むしろ沖田受けのが好きなんじゃ? ってわれながら思ってしまいました。
ほとんど、お伺いさせていただいている多くのサイト様は沖土めあてなのに。
沖土、大好きなのに。ぜんぜん自分がわかりません><
それから、私の手にまでお優しいお気遣いも、ありがとうございました!!

拍手やメッセージ、勇気づけられます!!
本当にありがとうございました。



2006/06/08
イロコイ。

「歳さん、伊庭さんがおいでですよ」

みょうに、むっつりと宗次が言う。
妬いているのかと、かすかにやけた歳三だが。どうも宗次の様子がおかしい。
そわそわと、落ち着かないし視線もあわせてこない。

なんでぇ、こりゃ。
ふと首を傾げたくなるよな気配である。

伊庭さん、いば、いばさんって言ったか、こいつ。
あきらかに、おかしい。


それにいつもの宗次なら、絶対取り次ぎなんぞはしないはずなのだ。

伊庭の奴、何やった?


ただ、ぴんとくるものがとんと無い。
だが宗次は聞かれるのも嫌だと言いたげに、うしろめたそな風情である。


ん・・・。!
なんで後ろめてぇんだ。


まさかっ、ありえねぇ。いやしたが・・・。



くっそぅ、伊庭の野郎。俺の気持ちを知ってながら。
しめ殺してやる。

歳三は宗次郎を置き去りに駆け出した。



2006/06/08
拍手やコメントありがとうございます!!

※素敵なお話のつまった素敵なサイト、わぁー有難うございます!!

素敵なお話ですか〜!! うれしいです///
サイトのデザインのかっこ良さは、ですね。全部、りか様のおかげです!
私、センスとかあんまり・・・。

お話、これから書くつもりですので。短い間ですが、よろしくお願いしますね。

有難うございました、がんばります!!


*拍手やコメント、うれしかったです!!
ありがとうございました。



2006/06/07
拍手くださった方、メッセージくださった方、本当にありがとうございます!

感謝しています!!

※ 更新履歴、◎ですか〜!
本当に、ありがとうございます!!
うれしかったです! りか様に相談してよかったな〜って思いました。
色も選んでいただいたんですよ!
赤背景に白い文字、すごく気に入っています!!


※A様、いつも本当に有難うございます!!
 えへへ、私A様のお話のファンですので〜☆
 拍手とコメント、本当にありがとうございました。


本当に、あんまり自信なく書いてますので。
拍手やご感想、はげみになります!!

有難うございます!!!

(これは、本日二時までにチェックさせていただいた、拍手に対するお返事です。これから、少しお出かけしますので)

もし、そのあとにコメントなど頂いておりましたら。
帰ってきたら、レスさせていただきますね(^^)

それでは〜!!



2006/06/06
緑、映ゆ。

「あぁ、緑の匂いが薫りたつようですねぇ」
初夏の風に誘われたかのように、沖田が言う。

 沖田は柔らかい言葉に、穏やかな微笑をのせた。
つい先程、人を斬ってきた者とも思えぬ。

淡い微笑だった。


 歳三は微か、物悲しい思いに捕われた。
僅かの憂いもその瞳にのせずに、人を斬りながら。沖田は昔と変わらず、ひたすらに澄んだ心のまま。
 それが、どこか切なかった。


鳥たちが謳う、そんな中。

沖田は心地よさげに初夏の風を聴いているかのようだった。
どこまでも沖田の瞳は澄んでいく、人を斬る度、澄んでゆく。


 それが歳三には哀しかった。
なのに、沖田は笑うのだ。柔らかく穏やかに。

 ふと、句をつくりたくなった・・・。
だが、沖田の前ではつくりたくない。

決まって、からかってくる。
さも、うれしげに楽しげに。


あぁ、俺にはおめぇが必要だ。

だのに、沖田は澄んでゆく・・・。


ふっと、わけもしらぬ不安が土方を襲った。
あぁ、おめぇ・・・。俺すら、もうひきとめれねぇんだな。


あれほど、慕う素振りを見せながら・・・。


総司、頼むっ。これ以上惹かれていくな。
死に惹かれてゆくな。

言えぬ言葉のかわりに

「あぁ、そうだなぁ・・・。何やら俺は幸せな心地だよ、総司」

沖田は、一瞬、目を見開いた、が・・・。

「うん、うん。俺もだよ、歳さん」


懐かしい呼び名に、胸がつまる。

ただ、気がついているのかいないのか。
沖田総司は子供のような無垢な笑顔を、歳三に見せた。


邪気のない子供のころ、よく見せていた笑顔だった。



2006/06/06
残照

「どうしましたか? 珍しいですね。貴方が言葉につまるなん
て」

 夕時の陽射しを背にして、差し向かいに座した若者が、静か
に言葉をついだ。


 珍しいのは沖田のほうだろう、いつもどこか明るい瞳をした
男なのに、今日は不思議と翳りを帯びた目付きである。
 沖田の、その瞳に恐怖したとは言えぬが事実、沖田は土方の
前ではほとんど見せることなのない顔をしていた。


 いや二人きりの時には、というべきか。
人を斬る時の沖田の瞳は、こんな色なのだ。ぞくりとくるよう
な深い色合いである。

 何があったとは聞くまでもない、沖田はおそらく土方を斬り
たい気持ちを隠しきれぬのだ。
 日毎、沖田は影をおびていく。


 とうとうという諦観と、歯噛みしたくなるような悔しさが土
方を無言にさせていた。

 だが、ここで斬らせてやるわけにはいかぬ。
 したが歳三には沖田は斬れぬし、殺せもせぬのだ。何より心
が従うべくもない。
 

 土方歳三にとって沖田は必要だった。土方が土方であるため
に、必要なのだ。
 隊や近藤のためには、どんな凄惨も業も気にはならぬ、だが。

沖田だけは、別だ。


 もうすぐ日が落ちる、それが土方には恐かった。
その時、この瞳の色合いが変わっていなければ、おのが命はす
でにこの世に無いだろう。


 だが、土方はこの瞳にとうの昔に惹きこまれていた。


 動くことも口をきくことも、ままならない。
 そうして何刻たったのやら、ほんのかすかの間なのか。

いきなり沖田の気配が、からりと変わった。
そして土方に背を向けると。

「あぁ、私が莫迦でした。貴方が言葉につまったって、私には
何の関係も無かったのになぁ。ねぇ、土方さん・・・」


 夕日を眺めやる若者の姿はひどく寂しげに見えた。


ほっとしたという安堵よりも、その姿のほうがより土方の心を
虚脱させた。

 聞かぬが華だろう、だが土方は思わずその背中に声をかけて
しまった。

「総司、俺が憎いか」


しばし、間があったが。ぽつりと

「ええ、そんなのとうに貴方も承知のはずだ。貴方らしくもな
いなぁ」

うっすらと、哂う気配だった。


土方も笑んだ、なぜなら沖田の言葉が齎したのは深い幸福感だ
ったから。



2006/06/06
こんばんは、拍手とメッセージありがとうございます!

昨日は、ありがとうございました。

励まされました、拍手してくださった方、メッセージくださった方ありがとうございます。

※「春よ、恋」せつなくて、じーんとしたとのお言葉、うれしかったです!!

※A様、優しくて切ないとのこと、本当にありがとうございます!
私の中で大鳥さんは、すごく穏やかな人みたいで(^^)
それを感じていただけたみたいで、すごくうれしいです!!
ありがとうございます!


本当に、有難うございました!!
これからも、よろしくお願いします!